子供は実に鼻かぜを引きやすい年代といえます。また、赤ちゃんはお母さんからもらった免疫が切れる6ヶ月以降に鼻かぜを引きやすくなります。
それ以前にもかぜにかかることもありますが、お母さんの免疫が母乳から以降しており、大体は軽くすみます。
①鼻を自分でかむことができず、また鼻すすり癖が多く病原菌が鼻の中にたまりやすい
②鼻の中が構造上狭く、また未発達のため一度鼻水がたまると出にくい
上記が原因による鼻かぜが非常に多いといえます。
溜まった鼻水はのどに自然に落下することが多く、気管に入り込むと咳を併発することも多いのです。また鼻の炎症が強くなると
副鼻腔炎を併発することもあります。
主な症状は鼻水、鼻詰まり、咳となります。鼻かぜだけではあまり高熱となることはないのですが、口呼吸になっていることも多く、その場合口の中が乾燥して扁桃腺が腫れてしまうこともあり注意が必要です。
かぜの大部分はウイルス感染に加え、寒さによる免疫力が引き金になって発症する病気であり、それぞれの症状にあわせた対症療法が主体となります。
くしゃみ・鼻水・鼻つまりには「抗ヒスタミン薬」、咳には「咳止め」や「痰を切る薬」、咳がひどく、ゼーゼーするときは「気管支を広げる薬」などが処方されます。急性気管支炎・副鼻腔炎・中耳炎などを併発することもありこれらの合併症に対応するために抗生物質を併用することもあります。
あとは個人の免疫力の低下を改善するよう、身体の冷えには十分ご注意ください。
また、しっかりとした休養と、部屋の加湿が重要となります。ウイルスは湿度が高くなると繁殖しにくくなるので、部屋の湿度は50~55%を保つようにしましょう。
かぜは軽いものを含めると、子供の場合「1年に5回は風邪にかかる」といわれるほど。珍しくありません。特に保育園などの集団生活をするようになるとかぜのウイルスに感染する機会が増えるため頻繁に調子を崩したりします。しかしその度に免疫をつけて強い体になっていくのですから、そういう時期だと考えることも必要かと思います。ただあまり頻回に鼻かぜを引く場合には集団生活をしばらく避けるよう指導させていただくこともあります。