クループは気道の内側に腫れを引き起こすウイルス感染症で、喉頭のすぐ下が腫れるのが特徴です。クループが最もよくみられるのは秋から冬にかけてです。好発年齢は主に生後6カ月から3歳の子供です。5歳以上になると気道が太くなるため、この病気にはほとんどかからなくなります。
最初は微熱・鼻汁・喉の痛みなど、風邪症状で始まります。その後咳が強くなりますが、咳のあとに犬が吠えるような独特のケンケンとした甲高い声が出ます。これは喉がむくんで腫れ、空気の通りが悪くなっているために起こります。症状は夜に強く、朝になると少し良くなることが多いです。のどの腫れがひどくなると、空気が通らなくなって呼吸困難を起こすことがあります。
ウイルスが原因の場合は、安静にして加湿しておきます。水分をしっかりとるようにしましょう。鎮咳薬(咳を鎮める薬)を使うこともあります。
ノドの腫れを取るための薬剤の吸入をしたり、ステロイドを内服することもあります。さらに細菌が疑われる場合は、抗生剤を使います。経過によっては吸入療法を頻回にしていただくこともあります。
症状が重い場合や急に呼吸がしにくくなる場合は、大きな病院などに入院していただき、治療をすることもあります。
家庭では安静にさせ、水分を十分摂らせます。乾燥すると刺激になり咳が出ますから、加湿器や、洗濯物を部屋の中に干すなど室内の加湿に努めてください。熱が高くなければお風呂にいれて湯気で加湿するのもいい方法です。