のどの内側には多くのリンパ組織があります。アデノイドもそのひとつで、鼻の奥の方(裏側)にあり、俗にいう“のどちんこ”の裏側にあって、普段は表からは見えません。
アデノイドは、リンパ組織であり、口や鼻から体内に入ろうとするいろいろな病原体の侵入を防ぐ役目をしています。一般的に4〜6歳頃に最大となり、7歳を過ぎる頃から縮小し、思春期にはほとんど消失します。
アデノイドは鼻の奥の後ろ側にあるため、肥大すると、鼻づまりのようになり、鼻での呼吸が困難となります。このため、常に口呼吸をするようになったり、いびきをかき、時には「睡眠時無呼吸症候群」になることがあります。また、鼻と耳をつなぐ耳管という管を閉塞させて「滲出性中耳炎」の原因となることがあります。
年齢が大きくなるにつれて、アデノイドの肥大は着実に退縮し消滅しますので、呼吸,食事に支障がないときは、様子を見て自然に小さくなるのを待てばよいです。しかし、頻繁に中耳炎を引き起こしたり、睡眠時無呼吸症候群や鳩胸などの症状があるなら、外科手術によりアデノイドを切除する場合があります。
アデノイド肥大の場合、特に毎日のように大きないびきをかくことが多く、また呼吸が陥没呼吸のように、肩で息をしているようなケースが見られた場合は耳鼻咽喉科の受診をおすすめいたします。